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2021年3月の記事

2021年3月29日 (月)

民事当番弁護士とは

1 「民事当番弁護士」あるいは「民事家事当番弁護士」と呼ばれている制度があります。これは、民事裁判や家事調停などを起こされた人(あるいは起こした人)が「とりあえずどうしたらよいか」について困られたときに弁護士が無料で相談にのる制度です。大阪弁護士会が1994年(平成6年)に「民事当番弁護士」の名前で始めました。大阪では制度ができて27年になりますが、今では、ほぼ全国の弁護士会で「民事家事当番弁護士」の名前で実施されています。刑事当番弁護士に比べて、民事当番弁護士はご存知でない方が多いと思いますので、現状も含めて、ご説明します。

2 民事当番弁護士は、突然、民事裁判にまきこまれた人のために、刑事当番弁護士と同様の制度があると助かる人も多いのではないかという思いから、1994年に大阪弁護士会が始めました。制度を設けたときの会長は私が若いときに指導いただいた亡木村保男弁護士であり、私は司法制度の委員会の委員でもあったことから、この制度を検討するプロジェクトチームの委員をしました。
私は、先日、依頼者が持参された裁判所の説明書を何気なく見ていまして、今も、以前と同様に、「大阪弁護士会では、訴訟の当事者を対象とした弁護士の選任、訴訟手続などに関し、簡単な助言をするための民事当番弁護士制度を設けています(電話番号○○ー○○○○ー○○○○。初回に限り無料)。」と記載されているのに気付きました。制度の現状が気になり、弁護士会の法律相談センターの事業報告書などで、毎年の利用件数などを調べました。

3 大阪の民事当番弁護士の制度は、発足以来、毎年約400件から600件位の利用があります。最近の7年間(2013年度から2019年度)も約400件から450件とコンスタントに利用されています(弁護士会館と、なんば、谷町、堺、岸和田、河内の相談センターの合計です)。また、大阪家庭裁判所の裁判や調停の当事者のために、2007年からは家事当番弁護士の制度も行われており、家事当番弁護士の利用は、年間100件から200件位です。
大阪弁護士会では、毎日、会館や府下の法律相談センターで一般の法律相談を行っており、当番の弁護士がいますので、その弁護士が民事当番あるいは家事当番の弁護士としての相談も担当しています。当事者は、相談した弁護士に直接、委任することもできます。弁護士を探す手間が省けますので、約4分の1(年平均民事が100件位、家事が30件位)のケースで相談にのった弁護士が裁判の代理人を務めています。

4 刑事当番弁護士は、突然逮捕された人のために弁護士会が提唱して実践してきた制度ですが、その意義と実績が認められて、国選被疑者弁護の制度の実現につながりました。民事当番弁護士の制度も、裁判に巻きこまれた人のとまどいを解消する一助となっているようですので、さらなる広報や改善が求められていると思います。(弁護士 松森 彬)

 

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