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2013年12月 3日 (火)

知る権利は大丈夫か

大阪弁護士会は、今日、特定秘密保護法案に反対するデモを行いました。弁護士、市民ら約900人がお昼休みを利用して御堂筋を行進しました。

特定秘密保護法案は、11月26日衆議院の委員会で採決され、その日のうちに本会議で採決が強行され、参議院に送られました。M新聞は、社説に、審議入りしてわずか20日目で、あぜんとした強行劇だ、民主主義の土台を壊すなと書いています。

この法律は、政府が国の安全保障にかかわる秘密であるとして指定しますと、それを公務員が漏らしたときは最長懲役10年の厳罰を科すというものです。これまでから公務員法や自衛隊法などの法律でもって公務員が秘密を漏らすことは禁じられています。そこで、さらに厳罰を科す法律が要るのかという問題があります。政府の説明では、過去15年間に公務員による主要な秘密漏洩は5件で、これまでからある法律で十分に処罰できているとのことですから、さらに秘密を封じ込める必要が本当にあるのかという問題があります。むしろ、国民の知る権利が脅かされるおそれが高いことから、報道機関、法律家、学者らが問題があると指摘しています。ここに来て社会の関心が高まり、いろいろな人が声を上げています。

1985年にも国家秘密法案が提案されたようです。そのときは、世論の反対で廃案になりました。その法律案でも、報道目的で情報を収集したときは処罰されないとしていたようですが、今回はその点の明記もありません。Y新聞は、社説で、機密が漏れない法律は要るとしながらも、公務員が萎縮して取材に応じず、報道機関が必要な情報を伝えられなくなるおそれが残るとしています。やはり議論、検討が尽くされていないという意見でしょうか。

もし、このような秘密保護の法律ができますと、政府や行政は今まで以上に事実を隠し、報道機関も取材を自粛するおそれがあるように思います。また、民間人も場合によっては処罰されますので、社会全体が息苦しくなるのではないかとの指摘もされています。Y新聞の社説によりますと、現在、国の秘密文書の9割は情報収集衛星に関する情報らしいです。町工場で防衛秘密につながる部品を作ることもあるようですが、あいまいな法律では、職人が仕事を他人に誇ることも秘密の漏洩だとされかねないと言います。

現在、法案は参議院で審議中です。日経新聞などの世論調査では、反対が半分以上だということです。急に出てきた問題で、どう考えてよいのか分からないという人も多いと思います。法律家からしますと、国民の基本的な人権と国民主権にかかわる大事な事柄であり、国民の多くが議論が不足していると考えている現状で、このまま法律にすることは避けるべきであると思います(弁護士松森 彬)

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