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2012年1月15日 (日)

弁護士費用の保険

弁護士費用が保険から出ることをご存知ですか。

昨日の土曜日に、大阪弁護士会館のホールで「ありがとう弁護士費用保険です」というテーマの集会があり、出席してきました。当事務所の高江弁護士もその委員会のメンバーです。昨日は市民が多数参加され、タレントの浜村純さんが進行役をされて、わかりやすい中味になっていたと思います。

弁護士に頼むにしても、裁判をするにしても、費用のことが心配だという声を聞きます。病気の場合は、国民皆保険の健康保険ができていますので、安心して病院に行くことができます。私は、日本の司法で一番手をつけなければいけない課題は「費用の問題」であると言ってきました。ヨーロッパでは、司法を利用する際の費用の問題について手当がされています。たとえば、経済的余裕がない国民には国が弁護士費用を出す法律扶助の制度があります。また、保険の制度も進んでいまして、ドイツでは、全世帯の約4割が保険に加入しています。

日本でも、遅ればせですが、約10年前に、自動車保険の特約として弁護士費用保険ができました。保険料は年間で800円から1800円程度ですので、契約数は急増し、2009年は900万件を超えました。一度、ご自分のかけておられる自動車保険は、弁護士費用の特約が付いているものかをお調べいただいたらどうでしょうか。(私は、自動車会社が勧めた保険にそのまま入りましたので、交通事故だけを対象にした弁護士費用保険です)。今後、周りの方で事故や事件に遭われた方がありましたら、自動車保険を調べるようにアドバイスしてあげてください。

自動車保険は、本来は加害者になったときに賠償金を払ってもらうものですが、弁護士費用保険は、被害者になったときに示談交渉や裁判手続を弁護士に委任できる保険です。

現在日本にある弁護士費用保険は、「交通事故」と「日常生活事故」(学校で子どもがケガをした。酔っぱらいに殴られた。家庭用品でケガをしたなど)だけを対象にしていますが、使い勝手がよいので、2010年の全国の利用件数は8000件を超えました。損害額がそれほど高くない物損などは、これまでは泣き寝入りすることもあったと思いますが、最近は弁護士費用保険を使って弁護士に頼んで請求できるようになっています。

この保険は、ドイツでは、権利保護保険と呼ばれています。事故だけでなく、不当解雇などの労働事件や、土地建物の事件、刑事事件などでも使えるようになっています。日本でも、司法をもっと使いやすいものにするために、幅広く使える司法保険制度の実現が必要であると思います。(弁護士松森 彬)

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