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2010年11月25日 (木)

最近の労働問題

昨日、ある団体の研修会で「最近の労働問題」について話しをしました。

不況が長引き、解雇、残業代、退職金などの問題が増えています。全国の労働基準監督署が受けた相談のうち、労使間で既に紛争になっている「民事上の個別労働労働紛争相談件数」は、8年前は約10万件でしたが、年々増加し、昨年度(平成21年度)は、24万7302件と、2倍以上になっています。

また、会社が残業代を払わないために労働基準監督署が、昨年度指導した件数は、100万円を超えた会社が1221社あり、対象労働者は11万人、割増賃金の総額は116億円(1社平均950万円)にもなるようです。

昨日の研修会では、最初に平成22年4月施行の労働基準法の改正の話しをしました。1か月に60時間を超える残業の場合、割増の率が引き上げられました。長時間労働を防止するためです。中小企業では適用が猶予されていますが、今後、長時間労働の防止と残業代は、各会社の課題になると思います。

解雇の紛争も増えています。解雇がどのような場合に認められるかは、ケースバイケースで、労使双方にとって難しい問題です。労働契約法ができ、解雇には「客観的に合理的な理由」と「社会通念上相当であること」が要件と明記されましたが、実際のあてはめでは、解釈が分かれることがしばしばです。経営不振の場合の整理解雇について、判例は、解雇を回避する努力をどれだけしたか、協議や説明を十分にしたかなどの要件を考えていますが、他の場合にも当てはまるように思います。

また、就業規則における解雇理由の定め方を話しました。就業規則は、労使の関係を決める基本となるものですが、ふだん読まれることが少ないせいか、条項などが整備されていないこともあります。たとえば、解雇事由はきちんと定めておくことが必要ですが、会社設立のときに作ったままで、どうかなと思う就業規則もあります。そのようなときは、解雇事由が有るか無いかから問題になります。

やはり、ふだんから就業規則や労働契約はきちんと整備しておくことが必要です。研修では、そのような話しを結びにしました。 (弁護士 松森 彬)

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