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2010年4月の記事

2010年4月29日 (木)

今、当面する司法の3つの課題

日弁連(日本弁護士連合会)の会長を務められた宮崎誠さんは、大阪の弁護士で、私は若い頃からよく知っている方です。3月に2年の任期が終わり、大阪に帰られた宮崎さんを囲んでお話を聞く機会がありました。

宮崎さんは、司法改革を推進することと法曹人口の増員問題に取り組むことを公約にされていましたが、着実に成果を挙げられたと思います。

お話を聞きながら、私は、わが国の司法は、3つの大きな課題があると思いました。

一つは、わが国の司法制度の改革を推進させる必要です。昨年、裁判員制度が始まるとともに、被疑者段階からの国選弁護が本格的に始まりました。裁判員制度は、経験者の90%を超える人が積極的な評価をしています。また、20年ほど前まで裁判前の被疑者の段階で弁護士が相談に乗っているのは数%しかなく、そのため、ひどい取り調べがされても、誰にも相談できず、冤罪を生むこともありました。そこで、弁護士会が手弁当で当番弁護士という制度を始めたのですが、司法改革で、それが国の制度になり、昨年から本格実施されました。これからは、遅れている民事司法の改革が必要です。

二つは、法曹の増員の問題です。最近、司法試験の合格者を大幅に増やしているのですが、質の問題や就職難などの問題が出てきましたので、増加のペースを当初の計画よりダウンすることになりました。ただ、外国でも法律家を増加させています。増加のペースをどうするか、どういう法律家を養成するかは、今後も司法の大きな課題です。

三つは、法テラスの予算の問題です。権利が侵害され、あるいは係争に当面したときに、誰もが司法を利用できるようにする必要があります。外国は、そうなっているのですから、わが国も早く世界標準にするべきです。お金に余裕が無い人のための法テラス(日本司法支援センター)の利用が増えてきましたので、来年度予算が50億円増えることになりましたが、それでも、裁判にかかった費用の返済が要らないのは生活保護を受けている人だけです。お金がない人から返済させているのは、先進国では日本だけです。恥ずかしいことです。単なる立替ではなく、給付の制度に早く移行することが望まれます。(弁護士松森 彬)

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