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2010年1月11日 (月)

民事法律扶助予算が増額に

来年度予算の政府案が発表されました。厳しい財政状況ですが、司法の関係では、司法制度改革の推進のため、裁判員制度の運用と民事法律扶助に重点的に予算を配分するとして、増額されます。

民事法律扶助は、「急増している賃金の未払いや不当解雇をはじめとする労働事件や、失業等をきっかけとした多重債務問題を解決するため」、51億円増えて、155億円になります。民事法律扶助が利用される件数が、平成20年度は約8万件でしたが、今年度は約10万件、来年度は約12万件と見込まれ、それに対応するためです。

私は、国民がもっと司法を利用できるように、民事法律扶助に国の公費が投入されるべきであると提唱してきました。弁護士会の意見書をまとめたり、民主党の千葉法相(弁護士)に手紙を書いたり、新聞に投稿したりしました。ただ、これまでは民事法律扶助(リーガルエイド)は、司法界でも、社会でも地味なテーマでした。先日、母校の法学部の学生と懇談しましたが、民事法律扶助の制度を学生はほとんどが知りませんでした。

ここに来て、急速に変化が見られます。日弁連の会長選挙が2月にありますが、二人の候補者は、いずれも民事法律扶助の拡充を最重要政策として掲げています。

司法を利用する費用の問題は、社会保障の制度として整備されるべきです。来年度予算が少し増えますが、これは急増している利用件数に対応するためのものにすぎず、わが国では、依然として単なる立て替えであって、返還を求めている点の変更はありません。ヨーロッパ諸国のように、返還を求めない給付制に早急に変更する必要があります。(松森 彬)

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