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2009年7月 4日 (土)

警察が犯罪を作った ー 志布志事件

新聞記者が書いた「冤罪を追え」(志布志事件との1000日)(朝日新聞出版)を読みました。

志布志事件とは、警察が事件をでっちあげ、選挙で買収、被買収をしたとして鹿児島県志布志の13人が起訴された事件です。4年後の平成19年に全員が無罪判決を受けましたが、この間に人生が大きくくるったひとも大勢おられます。概略は知っていましたが、本を読むと、この事件のひどさがわかります。

勾留期間が異常に長いのです。一番長い県議会議員は395日で、次はその奥さんの273日間です。被告全員が自白を強要され、自白をしないと保釈が認められず、うそでも自白をすると、また保釈が認められないという「人質司法」が行われました。強要され、ウソの自白を6人がさせられます。

刑事は、両足首を持って「お父さんはそういう息子を育てた覚えはない」と書かれた紙を無理やり踏ませ、「親を踏みつける、血も涙もないやつだ」と言い、自白を迫りました。キリスト教弾圧の踏み絵に似ています。

新聞社が連載を始めると、警察は、情報源をつかもうと、記者に尾行までつけます。記者たちは、捕まらないように「交通違反をしない、立ち小便もしない」などと申し合わせて、権力と闘うことを誓います。

私たち法律家の仕事も、場合によっては、そういう覚悟が必要です。そのために弁護士には弁護士自治(懲戒権は国ではなく、弁護士会にあります)が認められています。警察のひどさと、記者魂を改めて感じた1冊でした。

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