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2009年6月の記事

2009年6月29日 (月)

民法をどう改正するか              

民法は、国民の財産や契約、そして離婚、相続のことまで幅広く決めている基本的な法律です。全部で1044条ありますが、そのうちの債権法の部分を全面的に改正する議論が始まっています。

今日は、弁護士会で、内田貴先生という法務省参与(前東大教授)の研修会がありました。

民法ができたのは明治29年で、その後100年以上経っています。途中で何度も改正がされていますが、財産法の基本的な体系は当時のままです。内田さんは、改正の目的について、「明治にできた条文の定めは抽象的であるため、判例で妥当なルールを作ってきたが、法律家だけがわかるのではなく、条文にして国民にわかる民法にしようというのがねらいだ」と言っておられました。

ヨーロッパで民法の改正の動きがあり、学界ではかなり前から議論がありましたが、具体的には2006年から学者を中心にして検討が始まり、今年(2009年)4月に、学者グループの案がまとまりました。この後は、法制審議会で検討がされます。

弁護士会は、社会の実情を踏まえた検討がなされるべきであるとして、弁護士、裁判官など実務家の参加を求めてきました。消費者法をどれだけ取り入れるか、あるいは時効制度や約款の問題など、市民生活に直結する問題がたくさんあります。秋から始まる法制審議会には弁護士からも委員が出て検討することになります。また、議論の状況を皆様にお伝えしたいと思います。

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2009年6月25日 (木)

株主総会と弁護士

6月は全国で株式会社の株主総会が一斉に開かれます。今年は6月26日が集中日のようです。ただ、最近は行き過ぎが反省され、個人株主が参加しやすいように分散になっていて、23日ころから各地で総会が開かれています。

私は、昨日、ある会社の株主総会に顧問弁護士として出席しました。株主さんから意見・質問があり、若干の討議がありました。顧問弁護士は、通常、議事進行について議長の相談に乗るのが役目ですが、今回は特に仕事はありませんでした。法律家がいるだけで心強いと言っていただきましたが、そういう面もあるかなと思います。

会社という組織が法律に従って、株主、従業員らから信頼されて動くために、コンプライアンスが必要です。わが国の中小企業は弁護士に相談されていないところが多いのですが、もっと弁護士に相談、依頼していただけば、きっとお役に立つと思います。

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2009年6月20日 (土)

上野千鶴子教授の講演を聴きました

昨日、社会学者の上野千鶴子教授が大阪弁護士会で「ジェンダー概念と法」という講演をされました。弁護士会の男女共同参画推進本部がお呼びしたものです。

女性学、ジェンダー学で有名な東大の先生ですが、お話しをお聞きするのは初めてでした。男女が決定的に違うのは、性染色体が違うくらいで、後の違いは連続的だというお話しでした。そして、いわゆる男女の差は、大半が社会が作っているものだということで、改めてそうだと思いました。

近代の法学は、個人主義、自己決定、自己責任をいうが、それは対等、平等の場合に当てはまるのであり、男女は、まだまだ対等とは言えないというのも、大事な指摘だと思います。

セクハラは違法であることが裁判でも認められ、また、DV法ができて、ずいぶん社会が変わったという指摘もされていました。10年単位で見れば、裁判があり、法律ができることで、女性の権利状況はかなり改善されたということでしょうか。それでも、家事労働も含めた総労働時間は男より長く、睡眠時間は短いという指摘は、現在の女性の置かれている状況を端的に指摘されたように思いました。

弁護士会のアンケート調査によれば、女性弁護士の収入は男性弁護士より少ないようです。会場から、扶助事件の報酬が低い話しが出ました。DV問題がある離婚事件でも報酬の加算はありません。扶助報酬の単価の引き上げ、報酬体系の改定が必要であることを改めて感じました。

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ムツゴロウのミュージカルを見て

今日は、土曜日。厚生年金会館で「ムツゴロウ・ラプソディ」という市民によるミュージカルを見てきました。

知人の若手弁護士らが中心になって昨年から憲法に関する演劇を上演されています。演ずるのは、約100人の市民で、素人さんですが、堂々としていて、メッセージが十分に伝わってきました。

諫早湾の干潟にはムツゴロウをはじめ、たくさんの生き物がいましたが、12年前に干拓の理由で湾の入り口が閉め切られ、漁業に大きな影響が出ています。裁判になり、昨年、佐賀地裁は、門を開けるようにという判決を出しましたが、国は控訴し、まだ裁判は続いています。

私は、若い頃、弁護士会で琵琶湖の開発と汚染を調査しました。今日は、ミュージカルを楽しみながら、強引な開発と自然破壊の問題を改めて感じました。干潟とムツゴロウを見に、機会があれば九州へ行ってみたいものです。

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2009年6月12日 (金)

生活苦・経済苦からの自殺

警察の資料によりますと、大阪府下で昨年2128人の自殺者があり、そのうちの501人が生活苦、経済苦を原因とするものであるということです。一昨年は大阪市東淀川区で生活苦から一家4人が無理心中をしたとの報道もあります

倒産、負債、借金などで困っている人も、破産手続や債務整理をすれば、それ以上取り立てを受けることはありません。自殺された人には法的助言が届かなかったのではないかと悔やまれます。

現在、大阪府下の一部自治体(豊中、高槻、八尾)と大阪弁護士会は、多重債務者や自殺未遂者が行政に来たときに法律相談が必要なときは、その日のうちに弁護士会の相談担当弁護士を紹介できるようにしています。

もっと、自治体と弁護士会の連携が拡がって、お金が原因で自殺する人が無くなればと思います。

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弁護士の研修、会計士の研修                 

弁護士会は、公認会計士会と定期的に懇談をしています。専門職として似ているためですが、先日は、研修について意見交換をしました。私は、大阪弁護士会の研修委員長をしていますので、出席しました。

公認会計士も、弁護士(大阪の場合)も、年間決められた時間数の研修を受けなければなりません。ちなみに、大阪弁護士会の場合は、1年間に10時間です。

また、弁理士さんも、2008年から研修が義務になっています。弁理士会の会費は月額約2万円ということですが、全体予算の3分の1を研修に使用しておられます。

大阪弁護士会は、年間180の講座を設けて会員に研修を呼び掛けています。これから、専門職は、ますます勉強することが求められていると思います。

なお、日弁連が東京から配信するライブ中継の研修は有料ですが、会計士会は原則は無料ということです。私は、後日、開かれた日弁連の研修の委員会で、ライブ研修の受講料(2000円)の見直し・軽減を提案しました。今後検討することになりました。

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