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2009年5月の記事

2009年5月30日 (土)

日弁連総会で司法改革宣言

昨日(29日)、日本弁護士連合会の定期総会が東京であり、出席しました。決算と予算が主な議題ですが、今年は、2つの宣言を採択しました。

一つは、「日弁連創立60周年を迎えての司法改革宣言」です。裁判員制度、被疑者国選弁護、日本司法支援センター(法テラス)などいろいろな改革が行われていますが、弁護士の急増で就職難の問題が生じているなど、課題も生じていることから、今後も、ゆがみを是正しつつ、改革を推進していくという内容です。

私は、この宣言の作成に関わりましたので、総会で、「司法が利用できず、法的救済が受けられない人々が多数取り残されている。経済的弱者に対して裁判費用を出す民事法律扶助は、日本は単なる貸し付けである。そのため裁判を思いとどまる人もある。欧米のように、返さなくてよい制度にすべきだ。他にも、裁判官・検察官の増員の必要、民事裁判制度の改革など、積み残しになっている課題は多い。今後も改革が必要だ。」という意見を述べてきました。

もう一つの宣言は、「人間らしい労働と生活を保障するセーフティネットの構築を目指す宣言」です。そのための政策の提案、立法の提言、法律相談の整備などを進めることを決意しています。

総会終了後、弁護士50年、60年の方の表彰がありました。代表で話しをされた方は、人生の達人らしい心暖まるお話しをされました。

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2009年5月22日 (金)

裁判員裁判が始まりました

昨日(2009年5月21日)、裁判員裁判が始まりました。この日以降に起訴される重罪事件が裁判員裁判の対象になるということで、実際に裁判員が法廷に入って裁判が開かれるのは、7月ころになります。

弁護士会は、長い間、国民の司法参加の制度を求めてきました。私も、以前、大阪府下の国会議員の皆様のところに立法のお願いに行きました。「先進国で国民参加の制度が無いのは日本くらいです」「日本にも、戦前、陪審があり、戦争で中止になっているだけです」というと、驚いておられました。なお、陪審は、国民だけで有罪か無罪かを判断しますが、裁判員裁判は、裁判官と国民が一緒に議論して判断します。ヨーロッパの参審という制度に似ています。

私は、2000年と2001年に、アメリカの陪審を見てきました。陪審員が法廷に入ってくるときは、裁判官を含め法廷にいる全員が起立して陪審員を迎えます。陪審員は国民の代表であり、国民こそが主権者だということでしょう。陪審は民主主義の学校だ、といわれるそうですが、その意味が何となくわかりました。

日本では、これまで、司法は、お上のもの、専門家のものという気分があったように思います。裁判員裁判をきっかけに、市民にとって司法が国民のものになることを期待しています。

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2009年5月18日 (月)

新型インフルエンザの対策

今日は、電車や街でマスクをしている人を多数見かけました。数日前に見つかった新型インフルエンザの感染者は毎日増えていて、今日は、135人になったということです。

弁護士会も、今日から職員が全員マスクを着用するということで、会館に行くときは、できるだけマスクを着けてくださいという通知が来ました。

数十年に一度世界中に拡がる爆発的流行があり、そのときには大勢の死者が出ていると聞いています。今度は、これまでの経験と知識に基づいて、前のような被害者を出さずに、社会で防衛することが望まれます。

具体的にどのような方法を取るかは、社会生活への影響もあり、難しいところだと思います。一斉休校が決まっていっていますが、低毒性であり、発生した学校だけでよいと言っておられる医師もあるようです。私たちには、どちらが正しいのかわかりません。政府や専門家には、冷静で正確な情報の提供と合理的な対策が求められていると思います。

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2009年5月17日 (日)

DVと法律の保護

今日は、日曜日でしたが、知人の弁護士がヒューマンライツ・ナウ(国際人権NGO)の活動をされていて、DV(配偶者暴力)問題の講演会があるというので、聞いてきました。

夫の妻に対する暴力は、昨年、全国の配偶者暴力相談支援センターに寄せられた相談が、全部で6万件、また、警察への相談が2万件ということですので、すごい数字です。

配偶者暴力防止法(DV法)が2001年にできていて、暴力をふるう夫に対して、裁判所から接近禁止を命じてもらうことができます。年間、2200件あるようです。

私も、以前、夫から何度も暴力をふるわれて大けがをした妻の依頼で、夫の接近禁止の仮処分命令をとったことがあります。そのころは、まだ、DV法ができていないときで、警察は無理解でした。法律ができ、警察が一番変わったという話が今日も出ていました。

インドのDVの報告もありましたが、インドのDV法は、暴力をふるわれた妻の居住権を認めていて、夫の方が出て行くことになるようで、日本より進んでいるという報告もありました。

やはり大事なことについてはきちんと法律ができることが必要で、それで社会の認識も変わり、問題の改善につながるようです。

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運送業の会合に参加して

昨日は、運送業を営んでおられる皆さんが集まられた会合に参加しました。

来賓の方のお話が、流通の仕事の重要性を示しておられて、おもしろかったのでご紹介します。新型インフルエンザが心配されていますが、国が備蓄しているワクチンは国民全員分はなく、爆発的な流行になるときには、社会の必須の仕事に携わっている人から優先的に使うことになるそうで、運転手さんは物流が止まると大変なことから、ワクチンの優先順位が高いそうです。

社会的に大変重要な流通業ですが、最近の不況で、各会社の仕事は減っていて経営は楽ではないということでした。ただ、「愚痴をいっても仕方がない。経営努力をして乗り切るしかない」と言っておられました。頑張っておられる中小企業の経営者のご苦労と心情を少し知りました。

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2009年5月16日 (土)

商店街のゲタばき法律相談

西区の九条商店街で、今年、3月から無料法律相談がスタートしています。

私は、昨年、大阪弁護士会の地域司法計画プロジェクトチームの座長をしていまして、各方面の皆様のご意見を聞く機会がありました。九条商店街の役員さんから、「弁護士会館まで行くのは、時間も手間もかかる。来てもらえたら、商店主もお客も便利だ」という声をお聞きしました。

商店街と弁護士会で協議しまして、商店街から委託料をいただき、無料法律相談を始めることになりました。ふだん着で来ていただこうという趣旨で、地元の方の提案で「ゲタばき法律相談」という名がつきました。月1回ですが、毎回4人の相談枠がいっぱいです。

5月の相談が一昨日あり、相談にこられたおばあさんが大変感謝され、いったん帰られたあと戻ってこられて、お礼にとメロンを持ってこられたそうです。

弁護士会は、弁護士会館や、府下の市役所、区役所などで法律相談を行っていますが、メロンをもらったというような話は聞きませんので、ゲタばき相談には、役所などでの相談にはない親しみやすさがあるのかなと、うれしくなりました。育っていけばと思います。

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2009年5月14日 (木)

取調の可視化のデモに参加しました

「取調の可視化」ということばをご存知ですか。

警察の取調室は、私たち弁護士は知っていますが、狭い密室です。そこでの調べは、なかに暴力もあります。私の以前の依頼者で、座っている椅子を蹴飛ばされて、足を怪我したという人がいました。横の壁や前の机をバーンと何度もたたき、怪我はさせないが怖かったという人や、ひどい言葉を吐かれて人格がずたずたになったという人もありました。

鹿児島県志布志では、警察官が無罪の被疑者の足首を持って、「こんな人間に育てた覚えはない」と書いた字を踏ませた「踏み字」という取調がありました。江戸時代のキリシタン弾圧で、「踏み絵」が行われたと聞いたことがありますが、それの現代版でしょうか。

弁護士会は、このような不合理、不条理な取調を廃絶するため、取調を全部録画するように求めています。これを「取調の可視化」と言っています。今日は、東京で、112万人の署名を国会に届け、また、全国で可視化を求めるデモが行われました。

私も、事務所の他の弁護士と、昼休みを利用して行われた大阪弁護士会のデモに参加しました。テレビ局の取材もあり、少しは問題を社会に訴えることになったかなと思います。

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2009年5月13日 (水)

法律扶助をご存知ですか

今日は、日弁連の民事法律扶助の会議がありました。

民事法律扶助は、経済的理由で弁護士費用などの裁判の費用を払えない人々に対して、国が費用を払う制度(給付する国が多いのですが、日本は貸付制で、返還させています)です。

民事法律扶助は、どこの国にもある制度ですが、日本は国の支出額が極端に少なく、そのために後で返還をさせることを原則にしています。しかし、世界の先進国で返還させているところはなく、日本は、司法の利用の場面でも経済的困窮者に大変厳しいと言えます。

後で返さなければならないということから、収入が少ない女性は裁判をあきらめる、あるいは弁護士への依頼をあきらめる人があります。

私は昨年、各国の民事法律扶助の支出額を人口一人当たりにし、それを円に換算して比較してみました。そうすると、わが国の現在の支出額である40億円は、イギリスの80分の1、オランダやフィンランドの40分の1、ドイツの18分の1、フランスの13分の1という少なさであることがわかり、日弁連の理事会で説明し、改革を訴えました。つまり、日本がイギリス並みの支出をするときは、3200億円が民事扶助に出されるということです。

日本は、扶助の手続を利用したときの弁護士の報酬が極めて少ないという欠陥があります。国選報酬が少ないのと同様です。母子家庭の女性の離婚の依頼をたくさん受けておられる弁護士さんがおられますが、収入は少なく、しかも、たくさんの人を助けてあげるほど長時間労働を強いられるという過酷な状況におかれています。

日弁連は、昨年、民事法律扶助の改革に取り組むため委員会を立ち上げ、今日はその会議がありました。

不況のなかで雇用、貧困などの問題が急増していて、民事法律扶助を必用とする国民がたくさんおられます。早く世界標準にして、困っている人に対してやさしい国、そして互いに助け合う社会になってほしいと思います。

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ブログを始めました

皆様

こんにちわ。

弁護士の松森彬と申します。

ホームページが新しくなったのをきっかけに、ブログを設けました。

私のこと。弁護士の仕事のこと、司法の状況や弁護士会の活動など。

気の向くままにつづっていきます。気楽におつきあいいただけると幸いです。

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